創業48年にして原点回帰。
起業時はラリー、ダートラ専門ショップでした。
ラリー、ダートラ車両は車高を上げる方向。
(当社は他ショップよりは低く設定していたようですが)
それ以降の競技はサーキット、ジムカーナ、ドラッグ、最高速、ドリフトなど。
車高を下げるためのサスペンションとアーム類の要望が主となりました。
ストリートでもそれを反映させたスタイルが人気に。
転機が訪れたのは12年前の東日本大震災と以降に続いた天災。
避難所でプライバシーを守る車中泊、物資やヒトを運搬する貨物車、悪路を走破するSUV。
競技パーツと同時並行で、実用性を重んじるリフトアップキット開発に着手。
ところが同じサスペンションでも車高ダウンとアップでは別世界。
ローダウンでの経験値や知識だけでは乗り越えられない難題や技術的問題。
そんな時に役立ったのが創業期より在籍するメンバーの経験と知識。
車高アップによるアライメント変化、駆動系への中長期的なダメージ。
当初は専門である車高調を長くすれば良いと考えていました。
けれどこれも、車種構造によってはトラブル発生の可能性も。
さらに、最近気になっているのが法規制。
上記の記事でも紹介しましたが、4月より検査時に新項目が追加。
その説明をしたいところですが、まずはリフトアップの合法性を軽くおさらい。
サスペンションは国交省により指定部品=軽微な変更として認定されています。
この部分を純正以外の部品に交換することは、手続き不要でOK。
したがって車高調、サス、スペーサー類も問題無し。
あくまで純正の構造を維持するのが前提なので、エアサスは対象外で改造車検が必要。
指定部品以外の箇所で車高変更するのも対象外になる可能性。
当社のスペーサー方式も純正に足すだけなので問題無しとなります。
注意点として、指定部品による車高変化は基本的に±40mm以内とされています。
逸脱する場合は再計測し、数値記載の変更を求められる可能性。
厄介なのはリーフスプリング。
指定部品には含まれず、指定”外”のため、ローダウンリーフやシャックルもNG。
当社キットもシャックルを使ったものがあり、構造変更が必要。
構造変更、改造車検と呼ばれるものは正しい手続きをとれば問題なく合法。
ただし、事前申請が少々厄介。
車検とは別の日に検査場に予約を取り、改造する部品のみを前もって審査。
書面にて改造する部分が問題無いかの強度証明を行います。
検査官が認めない場合は落第となり、その状態では車検不可。
合格したら、改めて別の日に車検を受験となります。
すんなりいっても書類作成と審査日で、手間と時間がかかります。
しかも落第するリスクも。
当社では有償¥3000で書類作成だけでなく、審査もすませた合格書類を発行可能。
安心して製品購入していただけます。
さて、本題。
リフトアップにおいて気になる新たな項目が追加されました。
構造変更時、最大安定傾斜角度の数値を求められるケース。
「このクルマは転倒しませんよ」という証明。
転倒するほどの車高アップは相当ハードルが高い。
個人的にはありえないと思っています。
が、検査する側とすれば車検を通過したクルマが転倒するのはマズい。
という想定による追加項目なのかもしれません。
当社では安全性をより高めるために、この数値を順守いたします。
なお、この4月から有効なので過去の発行済みの事前申請書類には影響無し。
当社の現状ラインナップに影響はありません。
今年、発売予定のボンゴとライトエーストラックはこの数値を入れて発行。
とにもかくにも安全性。
その上で耐久性、快適性をできるだけ維持するにはどうすべきか。
法規制への対応はどうすべきか。
会長をはじめとする還暦メンバーお歴々のサポートでクリアしてきました。
もちろん、いつまでもおんぶにだっこというのも情けない。
私たち現役社員も新しいクルマで新しい試みに挑戦中。
そしてリフトアップキットカタログは今月末に完成。
引っ提げて全営業マンで久しぶりの訪問出張に出る予定。
梅雨が終わればいよいよ夏ですからね。
川、海、山へのおともに当社製品をご利用いただければ幸い。
個人的にもトライアスロンがシーズンIN。
初戦はGW明けの大阪城大会だったのですが、コロナで延期。
張りつめていた緊張の糸が切れ、GW中に暴飲暴食。
半年かけた3㌔の軽量化が三日間で水の泡に…
6月の近江八幡大会に向けて、軽量化に再挑戦。
本番までに3週間150㌔ランを自らに課しました。
クルマ同様、軽量化によりさまざまな恩恵があるので必須。
そこまで追い詰めなきゃならぬのに、ビールだけはやめられない。
飲んで太って走り、走って飲んで太ってを繰り返して一年。
もはやトライアスロンのためよりも酒を飲むために走るという本末転倒ぶり。
どうして人間はロジカルに生きられないんだろう…